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家づくりコラム
2020.06.09

冬の結露と夏の結露②

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

夏型結露と言うとなじみが薄い結露のような感じですが、そもそも夏に結露するの?なんて思われている方もいるのではないでしょうか。

そうなんですよね、夏に結露するんですが、冬型結露と違って窓ガラスやサッシのフレームには発生しないで、壁の中に発生するんです。生活してるうえで目に見えて結露してるな~っていう状態がないので、あまり関心がないようです。しかしこの夏型結露は結構厄介な現象で、目に見えないだけに発見した時はもう後の祭り、土台、柱を交換しないといけないなんて事にも・・・・・。

夏型結露の場合は、夏の猛烈な日射しにより外壁内(屋外に近い方)の湿気を帯びた空気が暖められ、壁体内を室内側の方へ移動していった時に、室内の冷えた空気の影響により暖かい空気が冷やされ結露を発生する現象です。冬型結露と全く逆の現象が起き、壁体内で発生しているので、多くの夏型結露は、ある程度進行してから発見される場合が多いです。

一般的に冬型結露を防ぐためには、室内側の壁の下地にビニール系の防湿シートを張ったりして、室内の湿気を壁体内に入れない事がセオリーになっています。しかし夏型結露の場合、この防湿シートが障壁となり壁体内で発生した湿気が閉じ込められて結露を誘発することも分かっています。

では結露を防ぐにはどうしたらよいのか?そもそも家づくりは現場で職人が一つ一つの部材・素材を取付けながら完成させていく商品です。工場で精密機械のように0.1mmも違わず製作していくのと訳が違いますから、防湿シートを張ったから室内の湿気が壁体内へまったく流入しないという事はあり得ないと思います。

弊社の考え方は逆です。壁体内に入ってきた湿気は、どんどん屋外に出してあげようという考え方です。場合によっては室内側の壁の下地に可変透湿気密シートを張って調湿をしてあげる事です。この可変透湿気密シートは通常は湿気を通さないのですが、ある一定の湿度を超えると湿気を通すシートに変わるという優れものです。値段的にもかなり高価な商品になりますが、結露に対してかなり改善が見込めるようです。

もう一つ大事な事は設計の段階で結露計算をしてもらう事です。少なくとも定常計算という結露計算をしておくと、結露するかしないか予測ができます。ただ外壁を構成する使用材料が決まっていないと計算できません。やはり結露するとかしないとか口頭で言われるよりも、結露に対して数値化した書類があるとより安心しますよね。下表は壁体内部結露計算の一部ですが、このように使用材料により結露発生の有無を確認しておくのが、気密性能が向上している現代の住宅には必須だと感じます。

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