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高気密&高断熱
2022.07.03

機械に頼らない全館空調のメリットと実際の光熱費は?

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

高気密・高断熱の家づくりの時代がもうそこまで来ています。高気密・高断熱に興味のある方は、全館空調方式を取り入れて快適な住まいを造られている方が多くなてきました。

全館空調方式とは、お部屋を個別に冷暖房するのではなく、家全体を一つのお部屋と考えて冷暖房する方式です。

個別冷暖房ですと、エアコンが設置されているお部屋は適度な温度で設定できますが、一度そのお部屋から出て玄関やトイレに行くと暑くてムッとした空気感だったり、寒くてせっかく温まった身体が冷えたりして不快感を覚えます。全館空調方式ですとその不快感がなく、玄関・トイレ・洗面所・浴室どこにいてもほぼ同じ温度、冬であれば厚着をすることもなく、夏であれば湿気でムッとすることもなく、快適な生活が遅れます。

実はこの全館空調方式、大きく分けて2タイプの稼働方式があります。

①大型の冷暖房空調システム機器を1階の天井裏や2階の天井裏等に設置(1台の設置方式もある?)してその機器本体から冷気・暖気を各部屋・各水回り等にダクトを通して運びます。この方式はエアコンパワー(稼働能力)を利用して冷暖房する方式で、ほとんど全ての大手ハウスメーカーさんがこの方式を採用しています。

②もう一つは上記方式に対して殆ど空調機器に頼らない考え方で、第一に考えるのが家の断熱性・気密性の向上です。屋根や外壁、床下の基礎の断熱性能を超高断熱・超高気密にし、サッシの断熱性能も向上させたうえで、市販エアコンを2台(冷房用1台、暖房用1台)設置する方式で、弊社はこの方式を採用しています。

2階小屋裏にあるエアコン室、これは夏の冷房用として稼働します

【それぞれの特徴】

どちらも1年中快適な住環境を造ることが出来ますが、それぞれの特徴があります。

①方式は、エアコンパワーを第1に考えるので電気代はそれなりにかかる。機器は耐用年数があるので、交換時期が来たらまた高額な工事費がかかる(200~300万円)

②の方式は、家の断熱性能・気密性能を第1に考えるので、冷暖房能力が中程度の市販エアコンでも十分に能力を発揮する。交換時期が来ても2台分のエアコン工事費(30~40万円程度)ですむ。

冬の暖房はリビングにあるエアコン1台を稼働して快適空間を保ちます

なんだかんだ言っても、皆様が一番知りたいのは費用対効果で、実際の光熱費はどうなの?というところですよね! 2021年6月から2022年2月までの実際に住んでいるお宅の光熱費を出してみました。

【弊社パッシブハウス方式の光熱費】                   以下実際建築し入居後毎月の光熱費明細をお客様よりいただいたデータになります。

建築場所:埼玉県日高市(断熱地域区分:5地域) UA値=0.25 C値=0.15   建物=木造2階建て 33.2坪(吹抜け2坪) 太陽光発電パネル5.25KW(自家消費分あり)

冷 房 時 : 常 時 室 内 温 度 は 2 6~ 2 8℃ 設 定 で 稼 働 (就 寝 時 2 8℃ 程 度 ) 暖 房 時 : 常 時 室 内 温 度 は 1 9~ 2 1℃ 設 定 で 稼 働 (就 寝 時 1 9℃ 程 度 )

これを読んでいる家づくりを検討されている方、全館空調方式を採用しようか?どうしようか?迷っている方、どう感じるでしょうか?

【費用対効果の一例】

通常の断熱レベル(UA値、0.60~0.87程度)の家で、光熱費が18,000円/月かかっていると仮定すると、

パッシブハウスレベル(UA値、0.25)の家で、光熱費が電気代高騰分も含めて3,000円/月かかっているとすると

(18,000-3,000)×12か月×20年=3,600,000円の節約になります。

もし18,000円/月以上の光熱費を払っている方は、自分で計算してみてください。

20年前後で初期投資の360万円が回収できるという計算になってきます。(10年以降は売電価格が減額されるので20年間の節約金額はもう少し減ると思います)

もちろん住んでいる方の生活スタイル、節約度、夏期間の日射遮蔽具合、冬期間の日差し取入量などにより影響されますので参考値になりますが・・・。それでいて、家中どこにいても快適な環境の中で生活できるというのは素晴らしい事だと感じます。

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