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高気密&高断熱
2023.01.14

室温は窓や壁の表面温度に左右される

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

寒さもひとしきり厳しくなって来たこの頃、朝目覚めたときにふとんから出るのが、眠いのと寒いのとのダブルパンチでなかなか出られない。朝起きたときにせめて室内温度が15~18℃はあってほしいと願うばかり。

実は室内温度は、壁(室内側)の表面温度、窓のガラスの表面温度や窓の枠(アルミや樹脂)の温度にも左右されます。

通常は室内空気の温度の方が上記の表面温度よりも高いのですが、外壁(室内側)の表面温度や窓ガラス、枠の表面温度が低くなりすぎると、その部分に触れている空気が冷やされて、全体的に部屋の温度が下がるという現象が起きます。冷やされた空気は上から下に動き(対流)、足元の冷えにつながります。又室内結露発生の原因にもなります。

例えば、下の①は赤外線サーモグラフィで測定した画像になります。中心の丸印の部分の表面温度が左上の温度数値として出ています。この場合、大きな掃き出し窓のガラスの中心が18.5℃という事になります。

①南側に設置した掃き出し窓、サッシ枠はアルミ製のペアガラス仕様

次に下の②は同じ場所のサッシ枠のアルミ枠部分の表面温度になります。ここでは、アルミサッシの表面温度が15.8℃になっています。

②南側に設置した掃出し窓のサッシ枠の表面温度を測定

次に下の③は同じ掃き出し窓の左横にある外壁部の室内側の表面温度で、21.6℃になっています。

③掃き出し窓の左横の外壁(室内側)表面温度を測定

ちなみにこの日の各温度は

外気温:11.4℃(サーモグラフィ測定時)

窓ガラス表面温度:18.5℃

窓アルミ部分表面温度:15.8℃

室内温度:22.5℃

このように外気温も含めて、各部位の表面温度によっても室内空気の温度が左右されるので、厳冬による冷たさを外壁、開口部サッシで遮断して室内壁に伝えない事が重要となります。そのためには外壁面の断熱性能、窓部分の断熱性能が非常に重要になってきます。

下の画像をご覧ください。オレンジ色や黄色くなった部分が断熱材を施工した部分の室内壁表面温度(12℃)、紫色の縦横に入ったラインが壁の下地に木(柱等)がある部分です。木は断熱材よりも断熱性能が低いので木から外気の冷たさが伝わり、室内壁表面温度も低くなっています(9℃前後)。室内温度を部屋の上から下まである程度一定にしようとすると、このような壁表面温度ムラをなくすのも必要です。

紫色の太い部分が柱、細い部分が間柱の入っている位置

当然隙間風が入ってくる部分も紫色になるので、隙間風を少なくして気密性能を上げることも、快適な室内環境づくりには欠かせません。快適な環境づくりには、C値=0.3~0.4 UA値=0.4前後(G2)は欲しいところです。

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