
2025.05.25
無垢材×自然素材×Design|サンエム建設
施工事例この記事を書いた人
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
結露と言うと、冬期に窓等の開口部のアルミサッシが、外気と室内の温度差の影響で結露水が発生し、サッシのアルミ部分やガラス部分に結露水が発生、水滴がついている状態を思い浮かべます。昔は窓の断熱性能や気密性能が低く外気の影響を受けやすかったため、結露の発生が起きていました。
近年はアルミと樹脂の複合サッシや樹脂サッシの台頭で、窓の断熱性、気密性の向上、そしてペアガラスの普及により結露の発生をある程度抑えることが出来るようになりました。
ただ結露は冬期に発生するだけではなく、夏期にも発生するのです。主に冬型結露は見える部分(窓のフレームやガラス、壁の表面、壁内等)に発生し、夏型結露は見えない部分(壁内)に発生します。ですので、冬型結露は目視で結露状態を把握できますが、夏型結露は壁内で発生しますので、結露水により壁体内の断熱材が濡れ、わからないうちに土台や柱の構造部分を腐らせてしまうという現象が起きます。部屋の壁仕上げ材(壁紙等)にカビのようなものが発生していたら要注意です。これが壁体内結露と言われ、かなり壁体内の状態が悪くなっている可能性があります。
では、結露の発生を防ぐにはどうするのか? 結露の発生の要因を考えましょう。
まずは冬型結露ですが、字のごとく寒い季節に起こる結露で、外気温が低く(零下)室温が22℃前後の状態の時、窓が気密性能・断熱性能が低いと外気温に影響を受け、窓のガラスやフレーム(アルミ枠等)の個体温度が下がります。それがそのまま室内に伝わり、室内温度22℃前後の空気と触れたときに冷やされて結露が発生します。
ただ冬型結露は表面結露だけではありません、壁体内に湿気が侵入して壁内部に湿気が溜まり内部結露を起こす場合もあります。これは気密性と大きく関係してきます。
空気中に含まれる湿気(水蒸気)は湿度の高い方から低い方に移動します、これは自然現象です。ですので冬の乾燥している時期は、加湿している湿度の高い室内から壁体内を通り湿度の低い屋外に向かって移動しようとします。移動の途中で湿気を通しにくい部材(例えば構造パネル)があるとその部分で湿気が停滞してしまい、また屋外に向かって移動するほど温度も低くなっていくので、露点温度を下回り、構造パネルの内側に結露が発生してしまいます。
では冬型結露を防ぐにはどうすれば良いか? 簡単に言えば壁体内に湿気が入らないようにすることです。屋外に面している壁の部分(外壁)、 内壁材(石膏ボード等)と断熱材の間に 防湿シートを張り、室内からの湿気の侵入を防ぐことです。ただ、完全に防ぐことは不可能なので、入ってしまった湿気は構造パネル等(湿気の通しやすい物)を通して通気層に出し屋外へ放出する事です。
冬の結露がどのように発生するかを検討し、その対策を講じていくことが大事になってきます。