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家づくりコラム
2017.06.18

今の中古住宅市場は?

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

全国の空家数は、820万戸と5年前に比べ、63万戸増加し空き家率は13.5%と0.4ポイント上昇し過去最高を記録しました。東京の世田谷区であっても、マンションの空家率が12パーセントを超えているのにマンションがどんどん建設されていると言います。今も空き家は増え続けています。 そもそも空き家がこんなに増えてきている訳はなぜ? ここでは一戸建ての住宅に関してお話したいと思いますが、それは日本人の国民性にあるような気がします。戦後日本経済復興のために圧倒的に住宅が足りず、『とりあえず雨風がしのげれば良い』という事で、ウサギ小屋的な家がどんどん建てられました。ですから当時建てられた住宅は20~25年ぐらいしかもたなかったので、日本の家は20~25年で価値がなくなったのです。そのイメージが今も残っていて長持ちしない家と言われてしまうのです。 逆に欧米の中古住宅流通事情は、新築よりも盛んにおこなわれていて、10年たっても中古住宅を買った当時の価格と同じくらいの価格で売れるそうです。そもそも中古住宅取引の考え方が違うので、なかなか日本に欧米の仕組みを取り入れられないのが現状です。 それと日本人の特徴として、 ①新し物好き:日本人は新しいものが好きな国民だと思います。例えば車を例にとると、どんどん車のデザインや装備が変わっていくのはよい例です。 ②清潔好き:日本人は清潔好きと言われています。家に入ると靴を脱ぐ習慣があるのは、家の中を綺麗にしておきたいという気持ちの表れですし、大昔は農耕民族で敵に襲われることもなく暮らせたので、家の中では靴を脱いでいたことが影響していると思います。ですから他人が暮らしていた中古住宅をリフォームをし、綺麗にして住むという事に違和感を覚える方もいると思います。中古住宅の売買がなかなか欧米並みにならないのは、こういった日本人特有の国民性にあると感じます。 今や少子化で人口が減り続けていく現代社会、それに伴って増え続ける空き家、国としてはこの空き家を何とかしたいと考え、補助金や助成金を出して中古住宅の流通を奨励しています。 ここで興味深い事が発表されました。1016年4月に起こった熊本地震の家屋倒壊調査の結果、国の定めた新耐震基準(1981年に制定された法律。震度6~7程度の大地震に対しても倒壊しないこと)で建てられた家も80棟倒壊してしまったのです。新耐震基準で建てられた家だから絶対安全とは言い切れないのです。原因としては、耐震強度はクリアしていましたが、建物の壁や柱の配置のバランス(偏心率・柱直下率・壁直下率)が悪かったと言われています。 そもそも、中古住宅リフォームで耐震補強工事をするときに、個人的な見解になりますが、正直、旧耐震基準の家を耐震リフォームをしても意味がないと思っています。それは一般的な話になりますが、耐震補強設計をするときにコンクリート基礎の強度を考慮して設計をしていないからです。 実際に大地震が来て、耐震補強リフォームをした建物の構造躯体(基礎より上)は、大きな損傷はなかったが、コンクリート基礎は旧耐震基準の基礎で、コンクリートの中に鉄筋が入ってなかったので崩れて家が傾いてしまったなんて事もありえます。そんな状態になったら、命は助かるでしょうがその後住み続けられるでしょうか? 車でいえばボディーやエンジンを頑丈に造っても、肝心な足回りがガタガタであれば車は走り続けられませんよね。 一歩間違えば、そんな中古住宅を購入して耐震リフォームに高額な費用をかけ、大地震が来たらコンクリート基礎が潰れてしまったとならない様に気をつけましょう。              

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