2024.09.03
【パッシブハウスふじみ野】 窓まわり編
この記事を書いた人
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
気密性を高めるためには、あらゆるところから入り込む隙間風の流入阻止をすることが大事です。
窓やドアも隙間風が入ってくる要因の一つとなります。現在作られている樹脂サッシは昔と比べて気密性能もかなり向上し、窓本体からの隙間風の流入はほとんどなくなりました。
30年前はアルミサッシが主流で、20年前くらいからアルミ樹脂複合サッシが、市場に出回るようになりました、当時はジャロジー窓(ガラスの板が何枚か重なるようについていて、ルーバーのように開閉する方式)というアルミサッシが、洗面所、トイレなどに使われていて、一時的な流行もあったのではと思います。
このジャロジー窓、今や負の産物になっており、隙間風や土埃がバンバン入ってきてどうにもならない状態になっていますね。どこのお宅に行っても、ジャロジーから風が入ってきて寒いし、ほこりがすごく入り込み『掃除が大変だ!』なんて声を聴きます。
今や樹脂サッシが主流(流通してるサッシの約30%が樹脂サッシ)になりつつある住宅サッシ、サッシ自体の気密性はかなり性能が良くなっていると感じます。でも、サッシ自体の気密性は向上しても、サッシを取付ける時に、サッシ廻りの隙間をしっかり塞がないと、せっかく気密性能が良いサッシを取り付けても半減してしまう事になってしまいますので注意が必要です。
最近は、カートリッジ式の吹付ウレタンフォーム断熱材も市販されていますので、これを使いサッシと柱(間柱)の間に生じる隙間に充填します。小さな隙間も膨張して奥まで入ってくれますので、埋めることが可能となりました。この方法で充填するとサッシ廻りの気密性が格段に向上します。
実際サッシ廻りに断熱材を充填している画像がこちら↓
上の動画は、樹脂サッシと構造体木部の間の隙間に、ウレタンフォームを注入している動画です。ウレタンフォームを注入すると、ウレタン自体が膨らみ、小さな隙間を埋めてくれますので気密性能、断熱性能が向上します。こんな細かな作業一つ一つがとても大変な施工になりますが、断熱性能、気密性能を向上させるための必須条件と言っても過言ではありません。
とは言え、窓や玄関ドア自体に気密性のあるサッシを使わないと、相乗効果が生まれないので、樹脂サッシを使ってサッシ廻りにウレタンフォーム断熱材の充填をした方が、より気密性のある家づくりが完成します。