
2023.01.23
最近家づくりを検討するうえで気密性能(C値)を気にするお客様がいます。家全体の隙間がどのくらいあるか床面積1㎡に対しての数値で表しますが、一般的に気密性能(C値)が良い家は、屋外の暑い(寒い)空気が家の中に入いりずらいと言われています。
アルミサッシ断面図:引違いサッシの戸車部分にすきまができる
昔の家は気密や断熱性能を気にしないで造られた隙間だらけの家だったので、自然の換気扇が付いた家だったとも言えます。そして昔の家は引違い戸・片引き戸の窓や出入口が多かったので気密性能的には良くない家の造りをしていました。
今はもちろん引違いの窓はありますが、辷り出し窓・上げ下げ窓・開き窓等が出回るようになって気密性能値を上げやすくなってきました。
気密性能値を上げる事って意外と簡単!
①外気に接しているサッシ(出入口、窓)は、引違いサッシ、片引きサッシを使わない。(引違いサッシはレールの上を戸車が走るようになっているため、レールとサッシ本体の間に隙間が生じるため気密性能が低い。じゃあ引違いサッシを1個も使わなくて家を造るには日本の住宅事情・使い勝手からして無理がありますね。)
②コンセント、スイッチ等の壁に穴をあける部分はしっかり空気の流入(流出)しないように施工する。
③室内壁に使用している石膏ボードは、床から梁・桁まで隙間なく張る。
④室内から屋内に貫通しているダクト等の周りは、隙間が出来ないように施工する。
ただ気密性能ばかりよくても断熱性能が悪ければ、家全体としての断熱性は上がりません。
最近気密性能値C値の事は聞かれることが多くなってきましたが、屋根・外壁・床や窓の断熱性能を表す外皮熱貫流率UA値を聞いてくるお客様はいません。ハウスメーカーさんや大手ビルダーさんに「気密性能値C値はお家の断熱性能にとって大事な数値なんです。数値が小さいほど気密の良い暖かい家なんですよ!」とでも説明を受けているのでしょうか。
ただ今の気密性能C値の評価基準として、C値が〇.〇以下だから気密住宅だとか、〇.〇以下だから超気密住宅だとかの判断基準は何もありません。
家の断熱について検討している方は気密性能C値の数値だけで判断せずに、外皮熱貫流率UA値の数値も判断基準にすると良いと思います。