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家づくりコラム
2020.03.31

窓はやはり樹脂サッシなのか?それとも・・・?

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

最近は断熱性能を競ってエンドユーザーにアピールしている会社が多く見られます。15年くらい前は一枚ガラスの窓が主流で、ガラス周りの部材はアルミニウムが大半を占めていました。今でもこのような住宅が、80%以上の4600万戸あると言われています。

特に窓からの熱の流入(夏季)や放出(冬季)が最も多く、夏は熱の総流入量の約70%以上が窓から入り、冬は総流出量の約60%が窓から逃げていきます。このような低性能なアルミサッシを劇的に高性能に変えたのは樹脂サッシだと言われています。

物の熱の伝えやすさ、伝えにくさを示す指標に熱伝導率というものがあります。この熱伝導率を樹脂とアルミニウムで比較しますと、なんとアルミニウムは樹脂の1000倍熱を伝えやすい事がわかっています。

諸外国、特に欧米では樹脂サッシや木製サッシの方が圧倒的に多く、アルミサッシの全体サッシに占める割合は20~30%程度

ではなぜ日本では今まで樹脂サッシが普及しなかったのか?(北海道地域等ではかなり前から使われていたようですが、全国的に広がらなかったため高価格だったと思われます) 私なりに考えてみました。

①アルミニウムは加工しやすく軽量で強度があり、雨の多い日本ではアルミの錆びにくい性質はとてもあっていたので、当時は日本でアルミニウムの生産ができたので、サッシのフレームとして製品化しやすかった。

②温暖な地域(北海道及び東北の一部を除く)では高価な樹脂サッシの需要が少なかった。

③そもそも欧米では全館暖房、日本では個別暖房が主流で、暖房方式が違っていたので樹脂サッシを使う必要性がなかった。

④樹脂サッシを製造するためには、メーカーとして新たに莫大な設備投資がいる。

⑤アルミサッシに慣れ親しんでいた日本で、樹脂サッシは夏の強い日射しにより変形、変色してしまうのではないかと感じていた。

このような事からなかなか樹脂サッシの需要が高まらなかったのではないかと思います。しかし、ペアガラス(又はトリプルガラス)の急速な普及で、近年樹脂サッシの需要が伸びてきています。なんといっても夏の伝わりやすさ(熱伝導率)はアルミニウムの1/1000、どれだけ熱が伝わりにくいかご理解いただけると思います。

もう一つサッシを構成する大切な事としてスペーサーの存在です。これはペアガラスやトリプルガラスに組み込まれている部材ですが、ガラスとガラスの間に入れてガラス板の間隔を保ちその中にガスや乾燥空気を注入するのですが、間隔を保つのと同時に注入された気体が漏れないようにする役目も果たしています。

このスペーサーはアルミ製と樹脂製の2種類に分かれますが、これがガラスの結露の発生に結構影響するんです。アルミスペーサーを使ったガラスと樹脂スペーサーを使ったガラスでは、ガラスの表面温度がおよそ2℃違います。アルミスペーサーを使ったガラスの表面温度が2℃低くなります。冬季の室内環境を想定した時に、この2℃の違いが結露の発生に大きな影響をもたらします。

これからの快適な室内空間を作り上げるためには、壁の断熱性能の向上はもちろんですが、窓は樹脂サッシに樹脂スペーサーを使ったガス入りのペアガラスが必須になってくる様な気がします。

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