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高気密&高断熱
2020.07.17

長期優良住宅はどのくらいの性能なの?②耐久性能編

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

今回は、 ②の【劣化の軽減に関すること 劣化対策等級3 】について詳しくお話をしたいと思います。劣化対策等級は1~3まであり、長期優良住宅の評価をもらうには等級3の仕様にしなければいけません。等級3の水準の目安は、『構造躯体が3世代(75~90年)もつ程度の対策が行われているもの』という基準があります。

長期優良住宅 劣化の軽減のための必須項目

でも私の感覚では、この構造体の仕様が劣化の軽減になるの?というような内容なんです。大きく分けると主に次のような項目になります。

①構造躯体についての規定です。 外壁を通気構造とするか地面から1m以内の構造躯体、その他の下地材に薬剤処理(防蟻処理)をする(首都圏他)、又は土台・柱・間柱・筋違い・胴縁等の材料にヒノキ・ヒバを使用する。つまり薬剤処理(防蟻処理)してあれば材料はなんでもOKという事なんですね。集成材でもOKなんです。当然のことながら弊社としては後者の仕様で建てていますし、防蟻処理の有害性については、当ホームページに記載してある通りなのでここでは省かせていただきます。

②浴室の防水についての規定です。 浴室の防水は、防水上有効な仕上げ材又は浴室ユニットで仕上げる事になっています。これはほとんどの工務店さんが浴室ユニット(ユニットバス)を使われているので問題ないかと思われます。

地盤から1mまでの構造躯体は防蟻処理をするか樹種の指定があります

※土台・1階柱に集成材を使用するときは次の点に要注意です。参考ブログ2020/02/16やっぱり集成材は水分に弱い!https://www.san-m.net/2020/02/16/3413/

③防蟻についての規定です。  地盤の防蟻は、鉄筋コンクリートのべた基礎ににするか、そうでないものは床下の土壌処理をすることになっています。今はほとんどの工務店で、べた基礎仕様が多いと思いますので問題ないと思われます。

④基礎の高さについての規定です。基礎の高さは地盤から40cm以上とる事になっています。これも多くの工務店で基礎の立上り40cmの基礎の仕様になっているようです。(たまに狭小建物で法的な高さ規制により基礎の高さが40cm取れない場合も出てくるので、この場合は要注意です。)

⑤床下の防湿・換気についての規定です。  防湿についてはベタ基礎になっていれば問題がありません。換気については床下の換気に有効な換気口の面積が決まっています。今は多くの工務店で基礎パッキン(ねこ土台)を施工されているようです。(基礎断熱仕様で施工している場合は別途規定があります。)

チョット一言、感じたこと 

①構造躯体についての規定ですが、材料の樹種や防蟻処理には簡単ですが規定がありますが、 構造躯体の変形(梁や柱の本数不足・寸法不足による、長期間にわたっての室内の重量物の影響による梁・柱等の変形)までは規定はされていないのです。これは前回の【構造の安定に関するもの】にも非常に関係してきます。もちろん構造計算(許容応力度計算)で積載荷重の検討はしますので、構造計算されていればOKです。

構造躯体は一番費用がかかるところでもありますし、耐久性という面では一番の肝になってきます。逆に言えば安く仕上げようとすれば、一番費用を削れるところも構造体なんですね。ローコスト住宅で建築コストを下げるには、柱の本数を減らしたり、梁の太さを小さくしたり、使用樹種を安い価格の木にしたりして。でも見た目だけは素晴らしい家で中身はスカスカでは本末転倒、くれぐれもデザイン重視だけの会社(ほんの一部の会社だとは思いますが)は要注意です。ですから 構造計算(許容応力度計算) をやることはすごく意味のある事になってきます。

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