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高気密&高断熱
2020.07.23

長期優良住宅はどのくらいの性能なの?③断熱性能編

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

長期優良住宅の言葉がエンドユーザーにもある程度認知されつつある今日ですが、弊社では10年程前から長期優良住宅に取り組んできました。では長期優良住宅の断熱性能はどのくらいなのかを検証してみましょう。

断熱性能とは、外壁や窓から熱の逃げる(又は熱が入り込む)度合いを示す熱貫流率(UA値)という数値で表しています。ちなみに、長期優良住宅のUA値は0.87以下にすることが必要です。

では、この0.87の数値はどの程度の断熱能力があるのか?これは非常に難しい問題で、暖かさ(寒さ)を感じる感覚は人それぞれみんな違うし、気密性能との関係も結構影響されます。断熱性能だけよくしても気密性能が良くなければ、規程の断熱効果を出せなくなります。でも、長期優良住宅の基本性能の中に気密性能を定めている項目はありません。必須項目ではないのです。

断熱性能と非常に密接関係のある気密性能(C値)が必須項目でないのはなぜか?一説によると、完成時(工事中)に実際の建物を気密測定しないと、性能値が出てこないからだと言われています。また一説によると大手ハウスメーカーの建物は気密性能を上げにくいから性能表示から除外?なんて事も言われていますが、本当のところどうなんでしょうか? 以前は国からの気密性能基準が示されていましたが、突然基準がなくなりました。現在では、気密性能値はいくつであっても家を建ててOKという事ですが、断熱性能に大きな影響を及ぼす気密性能(C値)は、現地測定をしてでも表示すべきだと思います。何千万も住宅ローンを組んで手に入れる方たちが測定費用数万円で安心を手に入れられるのですから・・・。

当時(10年ほど前)は断熱性能向上が見直される時期になっていた事もあったので、長期優良住宅の家がそれなりに断熱性能の向上には影響を与えました。でも正直、断熱性能ついては年々向上しており、高性能の断熱材料も出ています。10年前は高断熱住宅と言えた長期優良住宅の断熱性能、今はこの断熱性能(0.87)も普通の断熱性能と言って良いかもしれません。

注文住宅外観ライティング

話を元に戻して、断熱性能UA値=0.87はどのくらいの性能か? 実際の断熱材の仕様を書いてみました。(埼玉県 地域区分6地域での性能値です)

高性能グラスウール(窓はアルミサッシ枠のLOW-EペアガラスU=4.07)の条件で、

1.天井断熱をする場合(ここでは屋根断熱施工を除く)は厚み16cm程度、

2.壁断熱(ここでは壁の外に付ける外張り断熱は除く)をする場合は厚み9cm程度、

3.床断熱(ここでは基礎断熱は除く)の場合厚み8cm程度

の断熱材を使用すれば、長期優良住宅の断熱性能になります。これって弊社が10年以上前に施工していた断熱性能なんです。

注)ただし、断熱材の断熱性能により厚みが変わってきますので、すべてが上記断熱材の厚みになるわけではありません。あくまでも一例です。

ホームページ中に、長期優良住宅仕様で建てた10年経ったお施主様の『10年目の本音』として感想をアップしています。もしよろしければ閲覧してみてください。https://www.san-m.net/housing/special/interview-3/

注文住宅

会社によっては『全棟長期優良住宅の家』などのうたい文句で表示をしているビルダー・工務店さんも見受けられますが、断熱性能については良く話を聞いて確認をしてみる事をお勧めいたします。これからの家は『全棟長期優良住宅の家』から『全棟ゼロエネルギー住宅の家』、そして将来を見据えて『HEAT20 G2の家』を超える断熱性能が求められる時代になっていくと思われます。

なにせ日本の住宅の断熱性能はドイツよりも20~30年遅れていると言われていますから・・・。

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